2017年10月05日

クロアチアは光と太陽の国(その9)


こんばんは。


  クロアチアの旅7日目。我々は、夕暮れ前のドゥブログニクのジャズバーでご機嫌な演奏を楽しんでいました。スルジ山の展望台、アドリア海、城壁と旧市街の宝石のような景色を満喫しましたが、いよいよ夕日が見られる時間が迫っています。暑さはひとしおですが、この日も絶好なお天気です。この日の日没は1950分。今は、1900を過ぎています。


  夕日を見るのは、やはり旧市街とアドリア海が一望できる場所が一番です。我々は、もう一度スルジ山から夕陽を見るべく、ケーブルカーの駅に向かいました。旧市街から東門を抜けて、再び住宅街の急な傾斜を上るには30分近くかかります。ケーブルカーは10分程度で展望台に着くので、何とか間に合うはず。


  東門から通りを渡り、朝見た日本料理店を右手に見ながらドゥブロヴニクの住宅街の坂と階段を上っていきます。道は、ほぼ一本道なので迷うことなくケーブルカー駅の階段に出ました。さあ、ケーブルカーに乗ろう、と思った時に唖然としました。朝には、すぐに乗れたケーブルカーですが、なんと道路わきにケーブルカーを待つはるか長い列ができていたのです。


  時間は、1940分。日の入りまではあと10分しかありません。残念ながら道路からはアドリア海を見ることはできません。二人は、ガッカリしながらあきらめて列に並ぶことにしました。太陽が沈んでも、薄暮の旧市街とアドリア海の遠景は見る価値があります。並ぶこと20分。我々は、やっとケーブルカーの乗り口までたどり着きました。


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(ケーブル駅から見る薄暮の旧市街)


【ドゥブロヴニクの夕暮れ】


  駅の乗り口は高台になっており、ドゥブロヴニクの街を臨んでいます。すでに夕日は沈んだ後でしたが、うっすらと赤い水平線にドゥブロヴニクの街が映えています。やはり、美しい。薄暮の街を見ながら、我々はケーブルカーに乗り込みました。ケーブルカーがスルジ山へと登っていく間、ウィンドウからは徐々に遠のいていく薄暮の街が見えています。暮れなずむドゥブロヴニクの旧市街、見事な風景です。


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(ケーブルカーからの眺めは夢のよう)


  朝、ガイドさんに教えてもらった通りに十字架のモニュメントまでたどり着くと、展望台には夜のとばりが降りてきます。沈む夕日を見ることはできませんでしたが、遠くに輝くドゥブロヴニクの旧市街は、まさに宝石です。星のように瞬く街の姿にすっかり見とれてしまいました。再び崖の下まで降りていき、二人で写真を撮影します。アドリア海の宝石とは、この姿をいうのだな、とここに来ることが出来た幸せを噛みしめたのでした。


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(夜のドゥブロヴニク旧市街 宝石の街)


  さて、旧市街の宝石のような瞬きに見とれて、ふと気が付くと時間は2030を過ぎています。夕食をたべなければなりません。ところが、夜のスルジ山は観光名所のようで、帰りのケーブルカーを待つ列はとてつもなく伸びていました。まあ、仕方がない。二人でじっくりと列に並ぶことにしました。遠くにテレビ塔が建っていて赤く輝いており、人の多さを気にしなければ、ロマンティックな夜です。


  ケーブルカーの駅にはレストランもありますが、その前にはケーブルカーに乗る列が伸びており、時折、レストランに入ろうとするお客さんもいますが、満席のためにあきらめていました。やっとケーブルカーに乗れたのは2100過ぎ。我々が旧市街へと戻ってきたのは、2130頃でした。


  城内に戻ると、この時間にもかかわらず旧市街にはたくさんの人がいます。昼に比べればまばらではありますが、どこで夕食を取るかしばし考えます。時間もないので、お昼を食べた港の見えるレストラン「ロカンダ・ペスカリヤ」に行ってみることにしました。お店に着くと、ちょうど家族ずれが引き上げる時間で、席が空いています。


  さて、今度は何を食べようか。そういえば、ドゥブロヴニクではタコのサラダが名物と聞きました。ワインに続いて、タコのサラダを頼みます。さらにシーフードと言えばエビが王道。海老のグリルを注文しました。


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(「ロカンダ・ペスカリヤ」の日本語メニュー)


  お昼の牡蠣のスープやリゾットもお美味しかったのですが、海老のグリルは超お勧めです。大きめの鉄鍋に尾頭付きの海老が大盛りで出てきます。二人で一尾ずつ片づけていくわけですが、その濃厚な海の香りとエビの旨みが素晴らしく、海老をむいて食べる手がもどかしいほどです。タコのサラダも新鮮なタコの切り身の味と触感がレタスに良く合い、二人とも会話も控えて一心不乱に食べました。


  本当においしいシーフードに満足して、ふと気が付くと、時間は2300近くになっていました。レストラン近くのお店でミネラルウォーターを購入して、バスやタクシーに乗れる西門を目指して歩きます。さすがに帰る人の波はすさまじく、まるで初詣(暑いけど)のような人ごみです。この時間では、タクシーに乗る以外にホテルに帰る手段がありません。しかたなく、タクシー乗り場に並びます。


  すると、連れ合いが列の前の方から手をこまねいています。あれ?どこかで見た人が。前の方にツアーでご一緒していた30代のご夫婦がにこにこと応対してくれます。「ご一緒にいかがですか。」やっぱり、世の中には仁徳のある方がいらっしゃる。嬉しい限りでお礼を言うと、「いやあ、タクシー代がシェアできて有難いです。」とこれまた神対応。お言葉に甘えて、無事にホテルまでたどり着いたのでした。ありがとうございます。


【最後の一日は、ストン観光】


  812日土曜日。いよいよクロアチアの旅も最後の日を迎えます。最終日は、嬉しいことに2100のチャーター便で帰ることになっており、9日目は機内泊となります。このツアーは、ANAのチャーター便の威力で、初日はリュブリアーナ空港に1400時到着、最終日はドゥブロヴニク空港から2100時出発と時間を有効に利用することが出来ます。


  本当に気持ちよく過ごした「グラン ホテル パーク」でしたが、その朝食もいよいよ最後。この日は、最後のオプショナルツアーを申し込んでいます。ツアーは、ドゥブロヴニクからそれほど遠くない城壁の街、ストン観光です。


  例によって盛り沢山なバイキング。お隣のテーブルには、良くお話しするようになったご夫婦がいます。聞けばお二人は、昨日の午後、やはりオプショナルツアーでボスニアヘルツェゴビナの街、コトルに行ってきたそうです。今回のツアーは恵まれていて、国境越えに苦労したことがなかったのですが、昨日は大変だったそうです。国境にツアーバスが鈴なりになっていて、国境審査の順番待ちで1時間半以上もかかったとのこと。ホテルに帰ってきたのが夜中の000過ぎだったそうです。本当にお疲れ様でした。


  ご夫婦は、今日のストンツアーにもご一緒するとのことで、国境を超えないツアーなので安心、と笑っていました。さて、いよいよホテルもチェックアウトとなります。朝食後にはホテルの中庭を散策して名残を惜しみました。部屋のベランダから見えるアドリア海の景色も十分に味わった後、荷造りをして、いよいよストンへの旅に出発です。


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(グラン ホテル パーク の美しい中庭)


  ストンは、昔から牡蠣の養殖と塩田が有名です。特に塩田は先史時代からの特産品であり、この塩を守るために14世紀から16世紀にかけて長大な城壁が築かれたといいます。このオプショナルツアーは、本ツアーに組み込むことが企画されているそうで、クロアチア現地の観光企画会社の方も同行してくれました。


  バスは、ドゥブロヴニクから西に向かって進みます。距離は35km、海岸沿いの風景を楽しみながらバスは快調に走り、1時間ほどでストンの街に到着します。まずは、広大な塩田の入り口からツアーはスタート。海から直接海水を塩田に引き込み、乾燥させて塩を創る工法は、昔からから変わっていないとのこと。中に入ることが出来ないのが残念でしたが、その風景は広大なものでした。


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(ストンの塩田経営所)


  塩田と通りを挟んで、向かい側にはストンの小さな街の入り口があります。街に入るとすぐに広場がありますが、広場に小さな教会を見ることが出来ます。石造りの教会を見学した後、一行は街の中へと入っていきます。石造りの建物には、色とりどりのお土産物屋さんやストールなど装飾品を売るお店が軒を並べています。


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(ストン町中のカフェテラス)


  ドゥブロクニクのプラツァ通りの人でごったがえした景色とは異なり、その物静かな佇まいは、我々の心を癒してくれます。通りには、パラソルの下にカフェのテーブルとイスが並んでおり、何人かのお客さんが思い思いに飲み物を楽しんでいます。右に曲がって細い通りに入ると、そこで暮らしている人たちの息遣いが感じられ、落ち着いた暮らしが感じられます。


  右手に塔のある修道院が見えてきます。歴史を感じる建物ですが、現在は老朽化のために使われていないといいます。さらに街中を歩いていくと小さな石畳の路地が重なっており、時折カフェが目につきます。ストンで最も有名なのは、5.5kmも続く城壁です。もちろん城壁は有料ですが、券売所のあるところまでは無料だそうです。城壁は山を登るように伸びていて、登り切った先には展望台が見えています。


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(今は使われていない修道院)


【ストンの城壁からの眺めは】


  この展望台からの眺めが良いとのことで、おすすめだそうです。そういえば、広場の石造りの壁に「ストンマラソン」のポスターが貼られていました。確かに5.5kmもある城壁のうえではマラソンも可能なのですね。城壁を見学したのち、我々はさらに路地を通り抜けて広場へと戻ります。そして、ここからは小1時間の自由時間です。


  お土産か城壁か。悩みましたが、ドゥブロヴニクの城壁からの眺めを思い出すと、ここでも城壁を歩くのが良いとの結論に達しました。先ほど無料で見学した場所までも戻り、城壁の入場券を購入。山の上に見える展望台を目指しました。


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(ストンの城壁を辿る階段)


  ストンの城壁の通路はかなり狭く、人が行き違える程度です。少し登って振り返ると、眼下には小さなストンの建物の屋根とその背景に広大な塩田。そして、塩田に海水を引き込んでいる湾を見ることが出来ます。ドゥロヴニクとは違ってほのぼのとする素朴な景色に心が和みます。展望台は、近いように見えて登りがいがあります。写真を写しながらゆっくりと登っていき、展望台へとたどり着きました。


  そこから見えるストンの街と塩田は、はるかな絶景でそのながめには感動します。本当にこぢんまりとした石造りの赤い屋根と入り江になっている湾と広い塩田。この景色を見ていると時間を忘れてしまいそうです。展望台の先にはまだ城壁が続いていますが、自由時間には限りがあり、我々はその景色に後ろ髪をひかれながら城壁を引き返しました。


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(城壁展望台から見る市街と塩田)


【マリストンでの民族舞踊】


  ストンの街から移動するとすぐにマリストンの街があります。ストンとマリストンは城壁で繋がっているそうですが、マリストンは小さな港に面しています。そこに見える小さな砦と入り江の景色がまた心和む風景。すぐ横の建物の脇から入り江に下りることができ、海面に手を伸ばすとアドリア海に手を触れることが出来ます。


  しばらく眺めていると、中から呼ぶ声がします。なんとその建物がお昼のレストラン「ヴィラ・コルナ」でした。レストランの中は、縦長の空間で長いテーブルとイスが長々と並んでいます。今日は、お昼ご飯を食べながらクロアチア郊外からわざわざきてくれた民族舞踊(フォルクローレ)を見ることになっていたのです。


  ツアーの全員が席に着くと、まずはスープがふるまわれます。このスープは、ストン名産の牡蠣でだしを取っています。その風味は海の香りと牡蠣の香りがします。その器は大きな貝殻となっており、海の風景をテーブル上に再現しています。スープの後には、2種類のリゾット。イカ墨のリゾットとシーフードリゾット。こちらも貝の器の工夫と2つの味のコラボが嬉しい限りです。


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(大きな貝殻に盛られた牡蠣のスープ)


  美味しい食事に舌鼓を打つ中、長いテーブルの前にあるスペースには、民族衣装に身を包んだ二人の男性がアコーデオンとギターを手に登場します。奏でられた音楽は、クロアチアの民謡。アコーデオンとギターの音色をバックに二人の息の合った民謡がお店を包んでいきます。イタリアのカンツォーネを思わせる歌声は、素朴ながら力強く、レストランに大きな拍手が巻き起こります。


  お二人は、楽器を奏でながらテーブルの間を歩き、見事な喉を披露します。曲が終わるごとに拍手がレストランに響きます。そして、最後の曲は有名なクロアチア民謡との紹介で、恋人を思う歌だそうです。流れるように朗々とした歌声は、美しいハーモニーを奏でて、我々もすっかり聞きほれてしまいます。再びレストランは大きな拍手で満たされました。


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(クロアチアの民族歌曲を歌うデュオ)


  食事も進み、いよいよメインディッシュが運ばれてきます。この日のメニューは白身魚のソテーです。ストンで採れたのでしょうか、魚は身が締まっていてしっかりとした味付けがとても美味しく感じられます。付け合せのサラダも彩り豊かです。


  そして、入り口からは民族衣装に身を包んだ男女が大勢レストランに入ってきます。我々のためにわざわざこのお店までやってきてくれたクロアチアの民族舞踊団の方々です。その衣装は白い刺繍のあるブラウスと男性は上下、女性は黒いスカートで身を包んでいます。そこには、クロアチア独自の鮮やかな幾何学模様が刺繍されていて、とても華やかです。


  年の若い女性が、リートを手にして、音楽を奏でます。先ほどのアコーデオンとギターも加わり、リズミカルな音楽に乗って、なごやかに民族舞踊(フォークロア)が始まります。全員が輪を描いて踊る姿は美しく、軽やかなステップがその場を盛り上げていきます。ドゥブロヴニクの近郊にあるチリピ村が民族舞踊では知られていますが、わざわざそこから来てくれたのかもしれません。


  全員での舞踊が続いた後には、男性と女性がペアになり、何組ものペアがフォークロアを踊ってくれます。楽しい楽曲にあわせて、繰り広げられる輪舞ははなやかでみんな手拍子と共に晴れやかさで満たされます。ツアーに同行してくれた企画会社の男性が、軽やかに輪の中に入って一緒に踊ります。彼の誘いで、ツアーの人たちも踊りの輪に加わり、レストランは民族舞踊で大いに盛り上がりました。


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(クロアチアの民族舞踊(フォークロア))


  大きな拍手に包まれて、はなやかな民族舞踊も終了。にこやかな笑顔を残して、民族衣装に身を包んだ皆さんがレストランを後にします。こんなに楽しいひと時を味わえるとは、今回のオプショナルツアーで我々はすっかり晴れやかな気持ちになりました。


  食事の最後には、デザートのチーズケーキも出てきて、フルコースのランチもとても美味しく頂くことが出来ました。ストンとマリストンのツアーは、城壁も食事も民族舞踊も大満足です。我々は、楽しいひと時を過ごしたマリストンを後にして、ドゥブロヴニクへと戻ります。


  時刻は1400。バスは、ドゥブロヴニクの旧市街を経由してホテルに戻るそうです。最後の数時間を旧市街で過ごすも良し、ホテルに戻ってゆっくりするも良し、との粋な計らいです。我々二人は、最後の数時間を旧市街で過ごすことにしました。


  ワンダーの連続だったクロアチア旅行もあと数時間。というところで今回も紙面が尽きてしまいました。そして、いよいよクロアチアの旅も次回が最終回となります。皆さん、次回をお楽しみに。


  日本では、いよいよ秋たけなわとなります。スポーツの秋、芸術の秋、読書の秋、旅行の秋。何をしても過ごしやすい秋です。皆さん、くれぐれも体を大切にして秋を満喫してください。


  それでは皆さんお元気で、またお会いします。


本今回も最後までお付き合いありがとうございます。
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posted by 人生楽しみ at 22:39| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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